よくあるテイクアウト弁当は、発泡スチロール製のトレイに入っていることが多いですね。家に持ち帰った後、これらを再度温めたくなることもありますが、発泡スチロール製のトレイを電子レンジで使うべきではないということをご存じでしょうか？
特に、吉野家やすき家のような牛丼チェーン店は、多くの場合発泡スチロールの容器を使用しています。こういった弁当を温める場合は、陶器や他の種類の皿に移して加熱することがおすすめです。
この記事では、テイクアウト用発泡スチロール容器を電子レンジで加熱する際の危険性や、持ち帰った弁当を安全に温める方法について詳細にご紹介します。
電子レンジ使用時に発泡スチロールのトレーと容器を加熱しない理由
発泡スチロール製のトレーや容器は電子レンジで使用するのには適していません。テイクアウトした食品が冷めた時、そのまま電子レンジでチンと加熱すると溶けたり形が崩れたりすることがあります。その時、そのままお弁当などを食べても大丈夫か心配する方も多いと思います。
発泡スチロールを電子レンジで使わない方がいい理由について以下に説明します。
●溶けるリスクがある：発泡スチロールの耐熱性
発泡スチロールは主にポリエチレンで作られ、耐熱温度は大体80℃から90℃です。電子レンジで加熱すると、発泡スチロール製のトレーや容器が溶ける可能性が高くなります。発泡スチロールはほとんどが空気でできているため、水分が少なく、容器だけの空の状態では溶けにくいですが、食材が入っているとその部分から溶け始めることがあります。
●縮むことや穴が開くこともある：発泡スチロールの反応
さらに、発泡スチロールは加熱によって縮むことがあります。例えば、発泡スチロールのトレーに入った豚肉などをそのまま冷凍し、電子レンジで解凍するとトレーに穴が開くことがあります。そのため、発泡スチロール製の容器に入った食品は電子レンジで直接加熱するのを避けた方が良いでしょう。
吉野家やすき家などのテイクアウト、安全に温める方法
実際にすき屋の店員さんに容器について確認したところ、「基本持ち帰りの容器は加熱への耐熱がないため、溶けたり歪んだりします。温める際は必ず他の容器に移してからお召し上がりください。」との回答をいただきました。
この回答からもわかるように、吉野家やすき屋でテイクアウトした際の容器は、発泡スチロールの容器に入っていることが多いので、電子レンジでこれらの食事を温める前に、別の適切な器に移し替えることが大切です。電子レンジで安全に使える材質としては、以下のものがあります。
・陶磁器 ・耐熱ガラス ・シリコン製の容器 ・140℃以上の耐熱性を持つプラスチック ・磁器
これらの容器に食事を移してから加熱しましょう。手間がかかるかもしれませんが、発泡スチロールの容器をそのまま使うと溶けたり、電子レンジ内で火災を引き起こす可能性があります。安全のため、再加熱時は耐熱容器の使用を心がけてください。
電子レンジ内の溶けた発泡スチロールの掃除方法
もし、電子レンジの庫内が、溶けた発砲スチロールによって汚れてしまった場合の掃除方法も紹介しておきたいと思います。
●お湯を使って柔らかくする
70℃から80℃のお湯で発泡スチロールを柔らかくし、削り取る方法です。火傷に注意しながら行いましょう。割り箸にガーゼを巻き付けてお湯に浸し、汚れをこすり落とすと効果的です。
●重曹水で拭き取る
レンジ内に残った発泡スチロールには重曹が効果的です。水1カップに重曹大さじ1を加え、沸騰させた後、少し冷ましてからタオルで汚れを拭き取ります。
シンナーやトルエンなどの溶剤も効果的ですが、独特の臭いが残りやすいため、最後の手段として使いましょう。使用後は洗剤でしっかりと拭き取ることが大切です。
テイクアウト食品を安全に温める方法のまとめ
この記事では、電子レンジで発泡スチロールを加熱する際のリスク、テイクアウト食品を適切に再加熱する方法、さらに発泡スチロールが溶けてしまった場合の対処法についてご紹介しました。
発泡スチロール製の容器やトレーの耐熱温度は80℃から90℃と低いため、電子レンジで加熱すると、食品が触れる部分から溶けてしまう可能性があります。そのため、吉野家やすき屋などのテイクアウト食品を電子レンジで温める際には、発泡スチロールの容器から耐熱性の皿に移し替えて加熱することがおすすめです。
例外として、スーパーやコンビニのお弁当などは、電子レンジ対応のものもありますので、その場合はレンジでチンは出来ます。電子レンジで加熱できる秒数など書かれた表示を確認してあたためるといいですね。
また、万が一電子レンジ内で発泡スチロールが溶けてしまったときのために、70℃から80℃のお湯で柔らかくして削り取る方法、重曹水を使って拭き取る方法で使ってきれいにする方法もご紹介しました。テイクアウト食品を再加熱する際は、これらの注意点を頭に入れておくと良いでしょう。
