普通免許では運転できないトラックやマイクロバスを運転するために必要なのが中型免許です。運送業や建設業で働く方はもちろん、将来的に業務で車を運転する可能性がある方にとっても重要な資格です。この記事では、中型免許の取得条件・運転できる車の範囲・8トン限定解除の方法までをわかりやすく解説します。基礎知識を知りたい方は、中型免許とは何かを詳しく解説したガイドも参考になります。
中型免許とは?まず押さえておきたい基礎知識
中型免許の位置づけと目的
中型免許は、普通免許と大型免許の中間に位置する運転免許で、中型トラックやマイクロバスなどを運転するために必要な免許です。物流業界では配送や輸送業務に欠かせない資格であり、一定の運転経験を持つドライバーが対象になります。
制度改正・2007年・2017年で変わった区分
2007年6月に道路交通法が改正され、それまでの普通免許で運転できた車の範囲が変更されました。その結果、中型免許が新設され、普通・中型・大型に明確に区分されました。さらに2017年3月には「準中型免許」も追加され、免許区分がより細分化されています。
普通・準中型・大型との違い
免許の区分ごとに運転できる車の範囲は次の通りです。
| 免許区分 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
|---|---|---|---|
| 普通免許 | 3.5t未満 | 2t未満 | 10人以下 |
| 準中型免許 | 7.5t未満 | 4.5t未満 | 10人以下 |
| 中型免許 | 11t未満 | 6.5t未満 | 29人以下 |
| 大型免許 | 11t以上 | 6.5t以上 | 30人以上 |
中型免許は、普通免許よりも重い車を運転でき、業務用トラックやマイクロバスの運転が可能になります。詳細は中型免許の取得条件と準中型免許との違いで確認できます。
中型免許で運転できる車の範囲
車両総重量・最大積載量・乗車定員の基準
中型免許で運転できる車は以下の条件に該当する車両です。
車両総重量:7.5t以上〜11t未満
最大積載量:4.5t以上〜6.5t未満
乗車定員:11人以上〜29人以下
代表的な車両としては、中型トラック・マイクロバス・特装車両・清掃車・ミキサー車などが挙げられます。
取得時期による運転可能範囲の違い
2007年以前に普通免許を取得した人は、法改正により自動的に8トン限定中型免許となっており、特定の中型車まで運転可能です。一方、2017年以降の普通免許では中型車は運転できず、準中型または中型免許を新たに取得する必要があります。
8トン限定中型免許との関係
8トン限定中型免許とは、2007年改正以前に普通免許を取得した人が持つ限定付きの免許です。車両総重量8t未満・最大積載量5t未満・乗車定員10人以下の車まで運転可能で、業務用途では制限を感じる場面もあります。
中型免許の取得条件
・年齢:20歳以上
・運転経験:普通・準中型・大型特殊のいずれかを2年以上保有
・適性条件:視力0.8以上(両眼)、深視力・聴力・運動能力に異常がないこと
これらの条件を満たせば、教習所で中型免許の取得が可能です。
中型免許の取得方法
教習所で取得する流れ
教習所では次のようなステップで中型免許を取得します。
① 入校・適性検査
② 学科教習・技能教習
③ 卒業検定・技能試験に合格
④ 運転免許センターで免許交付
すでに普通免許を持っている場合、学科教習の一部が免除されるため、効率的に取得できます。
一発試験で取得する方法
運転免許試験場で直接受験する一発試験も可能です。費用は安く済みますが、合格率は低いため、教習所で段階的に学ぶ方が一般的です。
それぞれのメリット・デメリット
| 取得方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 教習所 | 合格率が高い/安全に練習できる | 費用が高い(約20〜25万円) |
| 一発試験 | 費用が安い(約5〜7万円) | 合格が難しい/実車練習が必要 |
教習プランや合宿料金の比較は、中型免許の費用・通学と合宿の比較で詳しく確認できます。
8トン限定中型免許の限定解除
限定が付いた理由と適用対象
2007年改正前に普通免許を取得していた人は、自動的に8トン限定中型免許として扱われています。つまり、普通免許なのに中型車もある程度運転できる特例措置です。
限定解除の方法
8トン限定を解除するには、教習所での技能教習または一発試験に合格する必要があります。教習所では通常、技能教習が5〜8時限ほどで、卒業検定に合格すれば解除可能です。
解除で運転できる範囲がどう変わるか
限定解除後は、車両総重量11t未満・最大積載量6.5t未満・乗車定員29人以下の車まで運転可能になります。より幅広い業務車両を運転できるようになり、仕事の選択肢が広がります。
まとめ・中型免許で運転できる範囲を正しく理解しよう
中型免許は、普通免許と大型免許の中間に位置する資格で、物流・運送・建設など幅広い業界で活用されています。取得条件や運転できる範囲、8トン限定解除を理解しておくことで、自分のキャリアや働き方に合った免許を選ぶことができます。

